オスカー・カストロネヴィスのギターとのデュオでレコーディングしたこの曲は、＜PERANZZETTA＞と並んで、私が音大時代に好んで弾いていたフランスの印象派の影響を受けているように思います。リオ・デ・ジャネイロでのレコーディングの時、オスカーはじめブラジルの人達も皆ドビュッシーあたりを大好きで「ヒロコ、ブラジルの音楽は、アフリカのリズム、アメリカのジャズ、そしてヨーロッパのクラシックと、たくさんの栄養をもらってできているんだよ」と教えてくれました。ちなみにオスカーはブラジルで大変に有名な音楽家であり、セルジオ・メンデスやA.C.ジョビンと並んでブラジル音楽界の重要人物。２０１３年に天国へお引っ越しされました。リオでは彼といるとどこでもVIP扱いでこっちがびっくりしたのも懐かしい記憶。アルバム「ライトアンドカラー」「ピュアハート」「ピアノ・アニヴァーサリー」などに参加してくれ、プロデューサーとしてイバン・リンス(vo)やテオ・リマ（dr)とつないでくれ、私の音楽にいっぱいの「ブラジリアン・ハッピーグルーヴ」を植え込んでくれた人です。 さてこの譜面はピアノ・ソロでもほぼアルバムのイメージ通り弾けますので、とくにクラシックを日頃弾いて鍛えている(?)アナタにおすすめ。あまりかっちりと決まったテンポで弾くより、自由に揺れながら間を空けるところフェルマータなどたっぷりとってください。気分は、親密な誰かとの会話の途中にフッと生まれる“間”そして心が揺れて気持ちは高まり、ウームここから先はアナタ次第さ…。(国府 弘子)