一度聴いたらすぐに覚えて口ずさめそうな、印象的なメロディのシンプルな作りの曲ですが、幾度も繰り返されながら微妙に表情を変えていたり、２つのテーマが同時進行するところは、計算された見事な演出構成ですよね。その最大の魅力を、10本の指でどこまで再現できるかが、このアレンジの特長になっています。管楽器 vs 弦楽器のように、音色の違いで居場所を明確にすることができないので、そのフレーズを配置する音域を、より高め、より低めと、目立つようなところに置くなど、オーケストラ・サウンドを完璧に再現するというより、ピアノ音楽として心地良くダイナミックに聞こえるような内容を目指しました。初～中級編のため、和音の部分はガッツリ掴む箇所を控えています。大きく雰囲気の異なる［H］は、拍子を6/8にまとめて、その中でテンポを揺らす,という解釈で演奏してみてください。