音符ひと粒の中に言葉を詰め込んで生み出す独特な桜井節を、全部拾い上げてピアノで演奏するのは至難の技と言えると思います。そのため、その言葉の持つ特徴的なリズムや抑揚を壊さないよう配慮しながら、あくまでピアノ曲、器楽曲として美しく歌う音価、音型に置き換えてアレンジしました。歌いまわしの部分にもこだわりたい場合は、書き入れた歌詞を頼りに、1拍内の、前か後拍(ウラ拍)側のどちらに16分音符を刻み込んだら似てくるかなど、試してみるのも良いでしょう。ちなみに、ベース音の配置がミスチル・サウンドの品格を作り上げる大きなポイントのひとつです。先述したとおり、ピアノ曲として美しく響くような内容になっているので、リズムで追い込むのではなく、分散的な伴奏になっている箇所も多いです。響きと動きを充分に味わいながら、スケールの大きなサウンドを目指してください。