パガニーニ作曲の「ヴァイオリン協奏曲 第2番 第3楽章(鐘のロンド)」をもとに、リストがピアノ用に編曲した楽曲。リストとパガニーニは大変仲の良い友人でもありました。超人的にピアノが達者だったリストは難曲を数多く作曲していますが、「ラ・カンパネラ」は、その中でもとりわけ難しいと言われる曲です。随所に大きな跳躍を含んだ素早い動きの右手のフレーズは、煌びやかに響き、哀愁漂うメロディも印象的です。その「難曲」の大もとになっている幅広い跳躍の部分を、それぞれの手の1本指で “チョップ・スティック”を弾くような感じで気軽に楽しめるようにしました。サイズも有名な部分だけをサクッと味わえるように、工夫を凝らしたアレンジになっています。2パートも響きを補うために、ダブル・ノート (縦の音が2つの和音) の箇所が所々にあるだけで、それぞれの手1音ずつで演奏します。音域的にも接近する部分は作らなかったので、お互いの音も聞きやすいと思います。1パートは、軽やかにキラキラと輝くような音色で弾きましょう。2パートは、チョロチョロ走り回る子どもを優しく見守るように。そして、時にはパワフルに煽って引っ張るような雰囲気を作ってみてください。ペダルを効果的に使いましょう。古くはオイゲン・キケロのジャズ・ピアノや、ポピュラー・アレンジされたカバーも多く出ている曲です。ゆっくりなテンポでジャズ・ワルツっぽく演奏するのもお洒落ですよ。