上皇后陛下が高校時代に書かれた詞、それを読んで感動した山本正美(作曲家山本直純夫人)が曲を作り、ちょうど文仁親王殿下のご誕生に合わせて献上した曲です。ゆりかごを揺すりながら、優しくほのぼのと歌うように演奏しましょう。深い余韻と響きを残すハーモニーを随所に置いて、素朴で愛らしいメロディも、様々な音域で歌うようにしてみました。寝つくまで、ゆったりと歌いなから、ふと懐かしい景色や出来事、人々のことを思い出すようなシーンも描きながら、繊細に透明感のある音で紡いで欲しいです。上皇后陛下の生家正田邸は、現在「ねむの木の庭」という公園になっていますが、夏には詞に描かれている薄紅(うすくれない)の愛らしい花を咲かせているそうです。元号「平成」を記憶にとどめるように、心を込めて演奏しましょう。