｢アメリカ音楽の父｣と称されるスティーブン･フォスターは｢草競馬｣｢おおスザンナ｣｢金髪のジェニー｣などシンプルなメロディーで人々に親しまれる大衆的な歌曲を数多く残しました。この｢夢路より｣は37歳の若さで亡くなる数日前に作られた最期の歌曲です。晩年のフォスターは恵まれず､貧困とアルコール中毒で悲惨な生活を送っていましたが、その荒んだ生活の中で生まれたこの歌曲はフォスターの全作品で最も優美で格調高い響きの作品です｡全体に流れるような丁寧な演奏を目指しましょう。特に、左手のアルペジオは和音の響きを感じながら、バランスよく音が鳴るように演奏してください。