ショパンの2曲のピアノ協奏曲は彼がウィーンやパリで活躍する前のワルシャワ時代、19歳から20歳にかけての作品です。規模の大きい第1番の方が後にできたのですが、先に出版されたので、曲の成立順と番数が逆になっています。先にできたこの第2番はワルシャワ音楽院に在学中に同じ学院の声楽科の声と容姿の美しい女生徒にあこがれ、その面影を胸に作曲したと言われています。曲想はその切々たる気持ちとポーランド民謡が見事にミックスされています。ショパンは2曲の協奏曲をひっさげてウィーンに登場し大センセーションを巻き起こしました。このアレンジでは第1楽章と第3楽章を組み合わせ、短くまとめています。曲頭は決然とした雰囲気をしっかりとしたタッチで表現します。「Allegro vivace」からの3拍子の部分は、ショパンらしい和音の響きや陰影を、繊細且つ情熱を込めて演奏します。フレーズのつながりに気を配って演奏してください。