この曲はドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調「新世界より」の第2楽章のメロディーです。オーケストラではコールアングレ(イングリッシュホルン)というオーボエを一回り大きくした楽器で奏されます。実に哀愁を帯びた音色です。「新世界」とはアメリカ大陸のことで、1892年にアメリカに招かれた時、この地の民謡やその雰囲気に刺激を受け、その翌年にこの交響曲が完成し、彼の代表作となりました。このメロディーは後に歌詞をつけて歌われ、日本では「家路」のタイトルで親しまれています。また、その歌詞の内容から帰宅時や閉店時の合図にも使用されています。冒頭やP.2の3段目の部分は一音ずつ丁寧に弾きましょう。ペダルは広がりを持たせるイメージで使用するとよいでしょう。左手の9度になる部分など、指が届かない部分は右手で押さえる等工夫しましょう。全体に指先で叩かずに、指の腹の部分を使って柔らかく暖かい表情を出してください。