ストリングスを大胆に使ったドラマチックなバラード。ピアノ・ベース・ドラムは比較的シンプルな演奏といえるが、ブレイクなど所々にキメがあったり、静かな場面と壮大に盛り上がる場面の対比など、表現力が求められる曲だろう。ピアノは曲全体にわたって4分打ちの伴奏が大半を占めているので、いかにグルーヴ感を生み出すかがポイント。ストリングスの大きなフレーズに寄り添うようなイメージで、ゆったりとプレイすると良いだろう。またセクションごとの強弱変化も重要になる。繊細に表現するところと、サビのようにグッと情熱的に盛り上がるところ、色彩豊かに広がりある演奏を目指したい。ベースは、セクションごとに様々なアプローチでベース・ラインが作られているのでかなり弾き応えがあるだろう。[C]～[D]の8分弾きは淡々と弾く感じが良い。[F]は16分音符を交えたラインに変化するのでビート感を切り替えて対応しよう。音を短く切るスタッカートの表現も重要だ。[G]は幅広い音域を行ったり来たりする動きの激しいプレイで、フィンガリングの正確さが要求されるベースの聴かせどころだ。ドラムは、ハイハットとライドシンバルを使い分けてセクションごとに抑揚が変化するドラマチックなドラミングだ。[C]は8分刻みのライドの間に16の裏でスネアのゴースト・ノートを入れる。括弧付きのスネアはヘッドの上でスティックを複数回バウンドさせるようにして叩く。[G]1小節目のハイハットは、オープンで叩いた後直ぐにクローズさせてシャッというキレのある音を出す奏法を示している。