冒頭は、「いったい何が始まるの？」といった気まぐれな感じを演出したいですね。本編([A]から)が始まってメインテーマ([B])が登場するまでが、これまたひと癖もふた癖もある音楽なんです。動いては止まりの連続は、大いに遊び心を発揮したいところ。やっと始まるタッカタッカのリズムは、少しのんきな味わいを感じさせるくらいのテンポで(曲中のメトロノームの表記は作曲者自身の指定ですが、もう少し遅いほうがニュアンスが出ると思います)。本編ですが、「魔法使いの弟子が、師匠のいないうちにうろ覚えの呪文をほうきにかけてさあ大変！」というわりには、けっこうまとまりのある音楽になっています。でも、さすがにコーダに差しかかってくると([I]あたりから)次第にとっ散らかってくるっていうエキセントリックな興奮が増してきます。ここからコーダまでは“大変だ！”モード全開で演奏しましょう。