音楽的な変化がさほどない曲なので、音域の違いやメロディーと伴奏のバランスが生み出す音色の変化などで多彩さを出したいところ。冒頭は低音域でシンクロするメロディーが特徴的です。IIパートのメロディーはIパートを控え気味にサポートするといった感覚で演奏するとよりスマートに響くのではないでしょうか。[B]はIパートとIIパートがメロディーと伴奏をそれぞれシンクロさせています。こういった部分ではIパートをやや優勢に保ちつつ、シンクロするメロディーを美しくハモらせましょう(このときIパートの伴奏の音量には気を配りましょう)。[D]は[B]の応用的な部分であり、メロディーと伴奏のバランスをとって音域がワイドなメロディーの音色的な特徴を表現します。IIパートはIパートをサポートする感覚で奏するとよいでしょう。[E]はやや色合いが違っています。メロディー・ラインを意識しつつIパートのアルペジオで輝かしい音色が表現できるとよいですね。[F](コーダ)はIパート(メロディー)とIIパート(伴奏)の役割がはっきりしています。IIパートは1つ1つの和音を十分に保って、Iパートをしっかり支えましょう。