ブラームスは「ドイツ3大B」の一人と言われます。バッハ、ベートーヴェンと並ぶ頭文字Bの大作曲家という意味です。ブラームスは生涯でオペラを除くあらゆる分野の作品を残しましたが、交響曲だけはなかなか手を付けられませんでした。それはベートーヴェンの9つの交響曲を意識し、それを越えるものを、という気負いがあったからです。そして着想から20年を費やして1876年に初演されたこの「交響曲第1番」は彼の代表作となり、「ベートーヴェンの交響曲第10番」とも言われ高く評価されています。ハ長調の第1テーマは第九の「歓喜の歌」に相通じるものがあります。冒頭は落ち着いた気持ちで、音価を整えて演奏します。次第に細かいパッセージが増えていきますが、ハーモニーをよく聴いて、しっかりと和音を鳴らせるように心がけましょう。展開部では声部の入れ替わりや、転調も多いので、読譜に注意して細かく区切って練習するとよいでしょう。