喜歌劇(オペレッタ)｢こうもり｣はヨハン･シュトラウス2世の代表作です。ワルツ王として知られるシュトラウスですが、ポルカ、マーチ、そしてこの喜歌劇などワルツ以外の曲も数多く残しています。｢こうもり｣はオペラとして上演されることはあまりありませんが、この序曲は誰もが一度は聴いたことがある親しみやすいメロディーと、華麗なオーケストレーションでコンサートに取り上げられる機会が多い曲です。今回のアレンジは弾き応えのあるアレンジになっています。曲頭の｢Allegro vivace｣は、テンポを保ちつつも和音の粒をそろえて弾けるようにしましょう。｢Allegretto｣からは横の流れを大切に弾きましょう。左手は軽いタッチから始まり、次第に盛り上がるように演奏してください。｢Tempo di Valse｣からはワルツ特有の揺れ(2,3拍目を揺らす)をつけながら演奏します。装飾音符は指先で軽く弾くような気持ちで弾き、透明感のある音色を目指してください。｢Allegro moderato｣からはボリューム感のある部分と序奏のような部分との対比を演出しましょう。