チャイコフスキーのピアノ協奏曲は3曲ありますが、とりわけこの第1番はよく演奏されます。親しみやすいメロディとロシア音楽が見事に融合したこの曲は、協奏曲の中でも一、二を争う人気曲です。当時のピアノの第一人者ハンス・フォン・ビューローによってアメリカで初演され、以後世界中の有力ピアニストのレパートリーとなりました。冒頭部分は力強く、一音ずつしっかりと奏でます。テーマの左手の交差は難しい部分ですが、ポジション移動を素早くし、鍵盤を確実にとらえられるようにすると安定して弾くことができます。中間部の3連符はくっきりと鳴らしてください。D.S.前のテーマに入る部分で、ひと息間を取りましょう。