作曲者のビクター・ヤングは数多くの映画音楽の名曲を残した人で、その中でもこの曲は代表曲のひとつです。同名の映画のテーマ曲として作曲され、アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞しましたが、映画の公開直後に亡くなったため死後受賞となりました。曲はスクリーン・ミュージックというよりも、むしろポピュラー曲のスタンダードナンバーという存在です。格調高い優雅な曲調が「世界旅行」のイメージと合致してテレビなどのテーマ曲に頻繁に使われています。前半の右手の内声は目立ちすぎないように控えめのバランスで弾きましょう。全体のテンポは、転調後の左手のアルペジオを想定して設定するとまとまるでしょう。アルペジオは2種類のパターンがありますので、読譜に注意しましょう。1種類目は指をくぐらせて、2種類目の方は指替えをしながら弾くとスムーズにつながります。