チャイコフスキーは「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」の3つのバレエ音楽を残しました。中でも、「白鳥の湖」は音楽、踊り共に最も人気のあるものです。組曲に再編成された1曲目のこの「情景」は、冒頭のオーボエの優美なメロディとハープの伴奏がいかにもチャイコフスキーらしい1曲です。近年では映画やフィギュアスケートでも取り上げられています。全体に両手のタッチのバランスに注意して演奏します。特に左手のアルペジオは硬い音にならないように、やさしいタッチで演奏しましょう。P.2の2段目4小節目からの2拍3連符は速くならないように、テンポキープしながら盛り上げましょう。P.3の1段目3小節目のテヌートは重みをかけて強調するイメージで弾くとよいでしょう。