「動物の謝肉祭」は全14曲からなる室内楽組曲で、色々な動物の生体をユーモラスに描いた親しみやすい作品です。既成曲や他の作曲家の作品も巧みにアレンジされているため、サン=サーンスは生前、私的な演奏会以外でこの曲の出版、演奏を禁じていましたが、この「白鳥」だけは完全なオリジナル曲のため、早くから単独で出版、演奏がされていました。以来、ピアノ伴奏付きチェロ独奏曲として親しまれています。原曲の16分音符の伴奏形が倍の形(8分音符)にアレンジされています。この伴奏形に慣れるまでは少し戸惑うかもしれませんが、変拍子にも聴こえるような不思議な魅力を味わって演奏してください。左手から右手へと伴奏が行き渡っている箇所は、タッチにばらつきが出ないように加減をしましょう。エンディングは音が濁らない程度にダンパーペダルを使用し、やわらかな表情を出してください。