ロシア民謡には短調の曲が多くありますが、短調でも大勢で陽気に踊るような歌がたくさんあります。このメドレーの「一週間」「行商人」「カリンカ」も典型的な曲想で、日本ではCMなどでもよく耳にする曲です。全般に出てくる左手の伴奏形は、ロシア音楽に特徴的な動きで、チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」の「四羽の白鳥の踊り」にもつながるような曲想です。「一週間」は一定のテンポで、ペダルは浅くこまめに踏み替えて演奏しましょう。「行商人」は元気よく、ほとんどペダルを使用せずにはっきりとしたタッチで表現します。「カリンカ」は中間部の甘い旋律からの構成です。右手から左手へのメロディーの追いかけを意識しましょう。「Allegro」からは、曲の最後に向かって次第にaccel.(テンポを速く）して、一気に駆け抜けるように演奏しましょう。